万が一置き去りになった場合

園児置き去りの痛ましい事故。

警察の検証実験より送迎車の車内は45℃を超えていた。

万が一置き去りになった場合、園児はクラクションを鳴らして外に知らせたり、窓をたたいて知らせることが考えられます。

今回、事故の後に園児に車のクラクションを鳴らす方法を教えたり、送迎車の園内停車中は車の窓・扉を開けておくなどの対策をとったところもあります。

人感センサーは注意が必要

セキュリティの検知センサーには人感センサーというものがあります。これは人の動きを検知するセンサーで一般的に使用されるものは「受動赤外線検知器(パッシブセンサー)」と呼ばれます。

一般的な形状

ではこの検知器を送迎車内に設置すればよいかというと、そうでもありません。

このパッシブセンサーの動作原理と特性を知ることが大切です。動作原理の概要は下記の様になります。

「パッシブセンサーを室内に設置したとして、検出している部屋の背景温度と人の表面温度との差を遠赤外線エネルギーの変化として焦電検出器でとられて、電気的エネルギーに変換したものを増幅、処理して信号出力に変えているもの。」

専門的な用語がいろいろと出てきますが、ここでちょっと気になることがありませんか。

部屋の温度と人の表面温度の差をみるというところ。

人の表面温度

最近ではレストランやお店に入るときに自分の表面温度を測定する機械があり、表面温度を測定する機会が多くなりました。(それまでは表面温度など気にしてなかったという方も多いと思います。)

あなたの表面温度は何度ですか?筆者は35~36.5℃くらいが表示されることが多いです。(ここでは機械の精度は気にしないこととします)

ということは

夏の気温は35~36℃くらいになります、そうすると車内空間と人の表面温度差はなくなります。

一般的に真夏などの非常に暑い時期はパッシブセンサーは検知しにくい状況になるので注意が必要です。(対策製品もある)

※筆者は記録的猛暑の年、真夏の体育館でパッシブセンサーの動作試験を行ったことがあり体験しました。

非常ボタンを使う

では何を使うか。「ライフディフェンス・エア」のオプションにはワイヤレス非常ボタンがあります。

ワイヤレス非常ボタン:SS9-EB

この非常ボタンは園事務所に設置した本体通報装置と無線で通信することが可能です。通信距離は見通し約100m(※環境により送信可能距離は変化するので現場での送信テストを必ず行います。)

万が一、園児が送迎車内に閉じ込められた場合に園児がこのワイヤレス非常ボタンを押すと、園事務所に非常ボタンを押されたことを知らせます。本体通報装置からは「非常ボタンが押されました!」という警報が鳴ります。

もし、園事務所に誰もいないときでも大丈夫。発報と同時にあらかじめ登録した通報先(園長先生の携帯や担当者の携帯)に電話通報を行い知らせます。

登録する通報先は5件まで登録可能です。1件目の登録先が電話に出れなくても2件目の登録先に通報します。同様に3件目~5件目と通報します、5件すべて電話にでなくてもこれを5回繰り返すので安心です。(1件でも電話に出れば通報を止める設定や登録先のすべてが電話にでるまで通報を続ける設定があります)

ワイヤレス非常ボタンは最大30台まで登録できるので、送迎車内に設置する以外にも通信可能な場所であれば園内の必要な場所に設置可能です。

安全装置義務化

政府は園児置き去りに対して安全装置の義務化を検討している。ガイドラインはまだ不明であるが置き去りをセンサーで検知する方式、運転手の目視確認を促す対策を検討中とのこと。どちらに対しても安全対策は二重三重に行うことが重要であると考えます。

ワイヤレス非常ボタンを送迎車内に設置することで安全度はさらに増します。

もちろん運転手の目視確認は一番重要なことであり、それを補う形で二重三重の対策が必要である。

今後弊社としてもガイドラインの具体的な内容を注視していきたいと考えております。